RE:寝間着は湯~とぴあ <南北戦争>

第一章 <南北戦争>

私の家は二階建ての長屋が何軒も連なるうちの二つを使い
一つが祖父と祖母がいて
もう一つを父と母と私と弟が住む形で

現在でいう所の二世帯住宅であるのだが
長屋である からして自由に行ききできない
だが 私達は自由に行き来する

なぜならば 区切りの壁をブチ破ったからである

むろん 借家である
大家の許可など一切なしである。
誠にもって奇天烈である

そして私が住んでた長屋には通常 風呂がない
近隣の方は銭湯通いだ。
しかし 私は風呂に困った事がない

そう 風呂も勝手に作ってたのである
もちろんこの件も無許可である。

そんな全ての横暴を行っていたのが
祖父 兼佐です
兼佐で「かねすけ」と読む
誰も読めないのである

名前からして奇天烈である。

そんな祖父の寵愛を受け僕は育った

この祖父に育てられる
その意味は後々

しかし育てられると言うのはいささか大層と思われるかもしれない

が それが大層ではない
幼少期 僕は祖父と祖母の間に挟まり寝ていた。

盆や正月ではないのだ
毎日である
記憶として 父母と一緒に寝るより明らかに祖父母と寝ていた方が多いのだ

そして朝から 祖父の自転車の後ろに乗り喫茶店へ
これが僕の喫茶店中毒の始まりだと自覚している

そして そのままパチンコ店へ
「こうやってこのまま止めて打つねん」と兼佐
4歳の孫に止め打ちを教養させる恐るべきオールディー
店員「お客様困りますわお子さんにこんな事させてもらっては」

「もらっ」はぐらいで食い気味に「じゃかしい座らせとるだけや」と兼佐

いや 打ってるし 玉が飛んでるし

弥刀駅前のパチンコ店である

そして夜は 90CCのバイクに乗せて 矢田に
スナックだ
幼稚園児でスナックに入り浸る私

今思えば 孫を餌に口説いたのかもしれない

僕の初めてのデュエットは5歳で 相手は19歳のカウンターガール
「ロンリーチャップリン」である
28歳の現在、彼女は42歳
いやはやしっくり来るではないか

やはり僕の感性はおかしな方向に この頃から向いていったのである。

こんな幼少期
やはり 親が黙っていない弟も自分との環境の差に
違和感を感じ始める

そう南北戦争の火蓋が切られようとしていた。

僕は何も悪くない
そう繰り返しながら生きていた

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